モンドセレクション金賞23年連続受賞!
お菓子づくりへのこだわりから生まれた「博多通りもん」
福岡・博多名物のお土産として、お取り寄せのお菓子/和スイーツとして
たくさんの方に親しまれている明月堂の「博多通りもん(とおりもん)」
2008年には新工場も完成し、舌にとろける白あんのおまんじゅうが毎日おいしく焼き上がっています。
「博多通りもん」はモンドセレクションの金賞を23年連続で受賞し、
世界に誇る博多名菓として今や明月堂の看板商品!そしてもちろん人気も不動のナンバー1!!
1993年3月8日に誕生した「博多通りもん」ですが、実はその誕生までには明月堂のお菓子づくりに対する
「こだわり」ゆえの苦難と長い道のりがありました。
お客様が感動してまた食べたくなる、そんなお菓子(おまんじゅう)を作りたい!という
お菓子づくりへの強いこだわりから始まった博多通りもん誕生のストーリー。
明月堂のお菓子の総合カタログ「博多ものがたり」2008年夏号より抜粋してお届けします。
まだ誰も食べたことのない
まんじゅうをつくりたい。
1985年頃、博多西洋和菓子というコンセプトを確立した明月堂。
しかしなかなかヒットにはつながりませんでした。
次々と新しい商品が誕生する中、昔からの明月堂を知る馴染みのお客様たちからは
「なぜ饅頭がないんだ。なぜあのおいしかった饅頭をつくらないんだ」という声が上がるのでした。
◆ たくさんのファンに待望された明月堂のまんじゅう
博多西洋和菓子を次々と発表する明月堂。
どれもおいしくて発売当初は好評を得るものの長続きがせずに
ヒット商品となるものはなかなか生まれませんでした。
そんなとき、お客様から饅頭を食べたいというリクエストが寄せられているという声が、
現場の店長から上がってきます。
「明月饅頭」、「博多じまん」とヒット商品を世に送り出してきた明月堂だけに
その復活を願うファンは、実はかなり沢山いらっしゃったのです。
ゴールの見えないまま、新商品を作り続けなければならない博多西洋和菓子は
しだいに経営を圧迫しつつありました。焦りと疲労が日毎に影を落とすようになり
そんなときお客様の「饅頭が食べたい」の声は心地よく響いたのです。
「今までの経験が生かせる、得意分野で勝負ができる」誰もが「博多じまん」の復活を思い浮かべたでしょう。
しかし、秋丸卓也は現場から上がってきた声を一蹴、検討の余地をまったく見せませんでした。
「お客様の声にあれほど真摯に応えている社長が・・・」と社内に驚きが走りました。
◆ お客様の声に動かされてプロジェクト始動
その当時の考えはこうでした。「福岡にはすでに全国でも屈指の饅頭がある。
そこに後発で挑んでも勝てる見込みはない。それに、せっかく新しい取り組みを始めたのに、
安易なお菓子づくりに向かいたくない。明月堂の大ヒット饅頭「博多じまん」の復活は、
一時的には喜ばれるだろうが結果的にお客様の満足を得ることはできない。」
ところが、お客様の要望は一向に収まらず、それどころか日に日に高まりを見せます。
ファンの声に押されるように、ついに卓也は腰を上げるのでした。
まず最初にリサーチをかけ、本当に「博多じまん」や「明月饅頭」が求められるのか?
今の若者にどんなお菓子が支持されているのかを調べました。次に、日本中の有名な饅頭を徹底的に調べました。
そして、3つの課題を掲げて饅頭づくりをスタートさせたのです。
1.日本中どこにもない饅頭を開発する |
2.日にちが経つほどに美味しくなる饅頭をつくる |
3.材料はできうる限りの最高の物を使う |
開発スタッフの表情がいつも以上に厳しく引き締まったといいます。
この条件は饅頭を諦めろと言っているようなものだったのです。
しかし、お客様が感動してまた食べたくなる、そんなお菓子を作りたいと思う卓也にとって、
それは絶対譲れない条件だったのです。社内一丸となって誰も食べたことがない饅頭づくりが始まりました。
◆ 最高の材料に徹底的にこだわる
「博多西洋和菓子というコンセプトの饅頭だから、従来のカステラ饅頭のような品ではお客様は感動しない。」
そこで、皮と餡にバターやミルク、卵をあわせてレシピを練ってみようと考えました。
開発スタッフが最初にこだわったのが材料の選定です。
子ども達でも手軽に購入できる価格の饅頭が卓也の理想でしたが、
販売価格に合わせて原材料の質を下げるようなことはしたくないという思いがありました。
バターは、国産の脂肪分の高い特別なバターを探してきて採用しました。
他のフレッシュバターと比べると水分が少ないのに口に含むとさらりと溶ける、こだわりのバターです。
生クリームも、上質なものを使用。
卵は、健康的に育った鶏の卵の中から、特に新鮮で黄色が鮮やかなものだけを選びとりました。
また、白餡の原料となる手亡豆(白いんげん豆)は、大切に育てられた豆の中から、
さらに色、艶、かたち、そして粒の大きさがそろったものを選りすぐって使用しました。
つぶして餡にしてしまうのだから豆の見た目や大きさなんて関係ないと感じられるかもしれませんが、
かたちや粒がそろっていると味にムラがなく、ふっくらとした煮豆ができ、そこから上質な餡が生まれるのです。
微妙なかたちや大きさの差が、餡の味を大きく左右します。
開発スタッフはとにかく、味のためには材料の選別に時間を惜しみませんでした。
これだけの材料を饅頭に使っているお菓子屋はほかにはない、
そう思わせるだけの材料が集まっていましたが、よい材料を集めて作っただけの饅頭では満足できませんでした。
「材料をまねしても同じお菓子をつくることができない」
そんな独創性が欲しかったのです。
◆ 傑作饅頭「博多通りもん」ついに誕生
それからは、寝ても覚めても饅頭、饅頭という日が続きました。
試作と試食を繰り返す日々。
それでもあきらめる者は、誰一人いませんでした。
そんなある日、営業本部長である純一郎がたくさんある試作品のなかから、
たったひとつ、変わった食感の饅頭を見つけ出します。
皮と餡がしっとり溶け合ったそれは、いままでの饅頭の常識を覆すものでした。
それまでの饅頭は、時間がたつと皮と餡が分離してしまうのがあたりまえ。
しかし、新しい饅頭は時間がたつにつれ皮と餡が馴染んでいくのです。
「できたてもおいしいが、時間が経つにつれてもっと美味しくなるとは、こりゃ傑作だ。」
このときに出た言葉が、テレビコマーシャルでもお馴染みの「傑作まんじゅう」というフレーズに生かされています。
素材、レシピ、焼き加減、気温や湿度、熟成時間、そのいずれが欠けてもこの饅頭はつくれませんでした。
まさに、偶然が重なり合って生まれたのです。
この奇跡は、けっして諦めない菓子職人たちの気概と、
たったひとつの饅頭を見逃さなかった家族の執念が実らせたものに他なりません。
「明月堂の饅頭が食べたい」というたくさんのお客様の声に励まされるようにして始まった商品開発。
果たして皆様に迎え入れてもらえるだろうか?
自信に少しの不安が入り交じるなかで、1993(平成5)年、「博多通りもん」はお目見えしました。
◆ モンドセレクションで金賞を受賞
福岡空港での販売初日。
結果は見事に「完売御礼」。
味見のために用意した試食はまたたく間になくなり、それからは試食を用意する間もないほど接客に追われました。
予想を越える人気ぶりで、その日の販売が終了すると、明月堂はひさびさに喜びに包まれました。
じつは、博多通りもんには最初、別の名前が用意されていました。
しかし、博多を代表するお菓子になってほしいと卓也たっての願いから、
日本一の人出を誇る祭り「博多どんたく」の原型である町人行列「通りもん」(現在のどんたく隊)にあやかり、
急きょ「博多通りもん」に決定したのです。
その後、博多通りもんが順調な売り上げを見せていくなか、時折、海外からも注文がくるようになりました。
空港で販売していたこともあって、海外へのお土産にする人も多く、
アメリカのホームパーティなどでも人気のお菓子らしかったのです。
まさか日本の饅頭がと半信半疑だった卓也も、
イギリスではバレリーナたちがレッスン後の楽しみとして食べているという話を聞くに及んで、
海外での評価が気になりはじめました。
そこで2001(平成13)年、お菓子の評価では国際的な権威であるモンドセレクションに
思い切って応募してみたところ、みごと金賞を受賞。
現在では、酒類や食品、化粧品などにまで対象が広がっていますが、
本来お菓子の品質向上を目的としたコンクールだけあってお菓子に対する評価はきびしいもの。
博多通りもんは、海外でも高く評価されることを示したのです。
また国内では、約4年に一度開催される全国菓子大博覧会において最高賞である名誉総裁賞をはじめ、
茶道家元賞、橘花榮光章など、わずか10年の間に数々の栄誉を受けました。
創業80年を翌年に控えた2008(平成20)年、念願の新工場を完成させ、
生産ラインをより強固なものとした上で、より高い品質を確保し、お菓子づくりを続けています。
明月堂が一丸となって生み出した饅頭は、
こうして全国、世界の人に愛されるお菓子へと成長していったのです。
◆ モンドセレクションとは
モンドセレクションとは、お菓子の品質向上を目的として欧州共同体(EU)と
ベルギー経済省が1961年から開催している世界食品コンテスト。
現在では酒類や食品全般に対象が広げられ、ヨーロッパ各国をはじめ
世界50ヶ国を超える食品メーカーが自信作を出品するなど
国際的に権威あるコンテストとしてその名を知られています。
モンドセレクションの審査は衛生、味覚、包装、原料表示などを100点満点で評価し
80点以上の商品に金賞が与えられますが、
同一商品が連続して金賞を獲得するのは極めて難しいと言われるほど名誉ある賞です。
明月堂の傑作まんじゅう「博多通りもん」は、20年以上連続してモンドセレクションの『金賞』を受賞。
(2007~2023年は『最高位特別金賞』を連続で受賞)
23年連続金賞を受賞した食品に贈られる『国際優秀品質賞』も授与されています。
1993年(平成5年)3月から販売された博多の傑作まんじゅう「博多通りもん」。
当社の看板商品として急成長できたのも、皆さまおひとりおひとりのご愛顧のお陰です。
アンケートにお寄せいただいた皆さまからのご意見・ご感想は「お客様の声」として
ホームページでもご紹介させていただいておりますが、その声に応えるべく
これからも博多にこだわり味にこだわりサービスにこだわる”ベター&ディファレント”の
精神で博多西洋和菓子をお届けしてまいります。モンドセレクションをはじめ、
これまでにいただいた様々な賞を誇りとしながら、皆さまへの感謝の気持ちをおいしいお菓子に込めて、
明月堂は百年続く博多の老舗を目指します。
「博多通りもん」受賞歴
第62回 2023年 | モンドセレクション 「最高位特別金賞受賞」 |
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第61回 2022年 | モンドセレクション 「最高位特別金賞受賞」 |
第60回 2021年 | モンドセレクション 「最高位特別金賞受賞」 |
第59回 2020年 | モンドセレクション 「最高位特別金賞受賞」 |
第58回 2019年 | モンドセレクション(イタリア・ローマ) 「最高位特別金賞受賞」 |
第57回 2018年 | モンドセレクション(スペイン・バレンシア) 「最高位特別金賞受賞」 |
第56回 2017年 | モンドセレクション(マルタ・バレッタ) 「最高位特別金賞受賞」 |
第55回 2016年 | モンドセレクション(ハンガリー・ブダペスト) 「最高位特別金賞受賞」 |
第54回 2015年 | モンドセレクション(ポルトガル・リスボン) 「最高位特別金賞受賞」 |
第53回 2014年 | モンドセレクション(フランス・ボルドー) 「最高位特別金賞受賞」 |
第52回 2013年 | モンドセレクション(スエーデン・ストックホルム) 「最高位特別金賞受賞」 |
第51回 2012年 | モンドセレクション(ギリシャ・アテネ) 「最高位特別金賞受賞」 |
第50回 2011年 | モンドセレクション(ベルギー・ブリュッセル) 「最高位特別金賞受賞」 |
第49回 2010年 | モンドセレクション(ドイツ・フランクフルト) 「最高位特別金賞受賞」 |
第48回 2009年 | モンドセレクション(イタリア・ベニス) 「最高位特別金賞受賞」 |
第47回 2008年 | モンドセレクション(オーストリア・ウィーン) 「最高位特別金賞受賞」 |
第46回 2007年 | モンドセレクション(スペイン・バルセロナ) 「最高位特別金賞受賞」 |
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第45回 2006年 | モンドセレクション(チェコ・プラハ) 「金賞受賞」 |
第44回 2005年 | モンドセレクション(ベルギー・ブリュッセル) 「金賞受賞」 |
第43回 2004年 | モンドセレクション(オランダ・アムステルダム) 「金賞受賞」 |
第42回 2003年 | モンドセレクション(ベルギー・ブリュッセル) 「金賞受賞」 |
第41回 2002年 | モンドセレクション(フランス・パリ) 「金賞受賞」 |
第40回 2001年 | モンドセレクション(ポルトガル) 「金賞受賞」 |
第26回全国菓子大博覧会 | 「橘花栄光章受章」「茶道家元賞受賞」 |
第25回全国菓子大博覧会 | 「橘花栄光章受章」「名誉総裁賞受賞」 (技術部門) |
第24回全国菓子大博覧会 | 「茶道家元賞受賞」 |
第23回全国菓子大博覧会 | 「名誉総裁賞受賞」 |